磯釣りスペシャル on sight

屋根裏部屋の名機たち

【その5】シマノ BB-X800

撮影・文=四元秀敏

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屋根裏部屋の名機たち

我が家の屋根裏に眠っている懐かしいタックルを紹介するこのコーナー。今回はシマノ初のLBリールの登場だ。現在も受け継がれるBB-Xはこのシリーズから始まった。

レバーを握ったまま巻き取れるシマノ初LBリール

「シマノのピストルはな、素人でも使いやすいんや」

 このリールを見るとそんな親父の声がよみがえる。

 1975年にレバーブレーキリールをリリースしLB市場を独占していたダイワの場合、レバーを引くとローターは正回転も逆回転もしない完全ロックだった。レバーを引いてブレーキをかけて竿を起こし、リールを巻くときには素早くブレーキを緩める必要があった。

 LBリールの扱いに慣れていない人はやり取りに力が入り、レバーを握りしめたままリールが巻けないなんてことがあったらしい。

 ところが、シマノが満を持してリリースしたBB-Xは、ピストルことレバーを引いた状態でも巻き取ることができた。画期的なこのシステムは「バラサンブレーキ」と名付けられ、その略がBB-XのBBだったのだ。

 初代BB-Xは83年登場の950番。写真の800番はその後追加された一回り小さいモデルだ。ブラックを基調にゴールドのアクセントは現在のリミテッドプロを彷彿とさせる。レバーを引いてハンドルを回すとジジジジジジジーっとラチェット音がするのが面白い。

 お気づきの方もおられると思うが、リールフットの後ろ側が妙に短いのは、癇癪を起こした親父が投げつけて折れてしまったから。あのときは竿も折ってしまって、翌日落ち込んでいた姿も思い出す。

 

スプールはドラグなしのワンタッチ脱着式
ボディーはアルミダイキャスト、スプールはカーボン製ラインキャパシティーは3号が160mだ
ボディーのエンブレム周りは立体的。昔のプジョーのそれに似ていなくもない
ブレーキシステムはボディーにすっきり収まっている
レバーはシンプルなストレート形状。スプール側の大きな突起は、ハンドルを回したときに起こしたベールのアームカムが当たりベールを倒すためのもの
ハンドルの折りたたみは内側のレバーでワンタッチ

2024/11/30

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