磯釣りスペシャル on sight

屋根裏部屋の名機たち

【最終回】シマノ ツインパワーBB-Xスペシャル800GT

撮影・文=四元秀敏

  • アイテム
屋根裏部屋の名機たち

我が家の屋根裏に眠っている懐かしいタックルを紹介するこのコーナー。最終回は、本格的にフカセ釣りを始めた大学時代に、夜勤のバイトで稼いだお金で買った思い出深いシマノのLBリールだ。

フラッグシップの称号をいただくホワイトカラーで一世を風靡したLB

 三宅島の三本岳を舞台にでっかい尾長グレをボコボコに釣る高橋哲也さんが、繊細な釣りの組み立てでスレッカラシの口太グレを手玉に取る阿波釣法三兄弟こと小里哲也さん、江頭弘則さん、立石宗之さんが、テレビや雑誌で使っているのがかっこよく、何がなんでもほしくなったのがシマノ・ツインパワーBB-Xスペシャル。

 大学が冬休みに入るとすぐに入った某製菓メーカーの夜勤バイトで稼いだお金で購入したのだが、これまでにないホワイトボディーにゴールドのポイントが斬新でかっこよく、寝ても覚めてもくりくりハンドルを回しては、思うように釣れてくれない南紀のグレに思いを馳せていた。

 シマノスピニングのフラッグシップ(当時)であるツインパワーのLBリールだけに、4ボールベアリング仕様で回転はとてもなめらか。しかし、今のリールでは考えられないくらいに逆転時のブレはすごかった。ブルブルブルという激しい振動が竿を持つ手に伝わり、竿を握る手はもちろん、腕全体をほぐしてくれるなどと、バカなことをいっていたのも忘れられない思い出だ。

 ちなみに最初に買ったのは一回り大きな950GTで、予備を含めていきなり2台。その後、このサイズを追加した。定価が2万円後半で買値が2万円弱だったことと、実家暮らしの気楽な学生だったからこその荒業(笑)。

 ミッション車に道具を積み込み、毎週のように国道42号を夜討ち朝駆けしていたのが懐かしい。あのころのような気力と体力、そして●力がほしいもんです。

シマノスピニングのハイエンドモデル「ツインパワー」のLBリールとして1989年に登場した「チタノス・ツインパワーBB-X」に続いて翌90年に登場したのがこのリール。真っ白なズームロッド「αズームツインパワーBB-X」との組み合わせで一世を風靡した。シマノのスピニングは2号ラインが150m巻ければ2000番、3号が150mなら3000番と表記されるが、LBリールに限っては後発だったからかダイワLBのような800や950といった番手が初代モデルから付けられていた。ちなみに800GTは3号が150m、950Gは4号が150m巻けた。そして1993年の初代テクニウムからはシマノ方式の3000や5000の番手になったのだ。こちらは逆サイド。洗練されたデザインでかっこいい
スプールはワンタッチ脱着式。スプール上部には巻いたラインの号数を表すラインメモリーがあり、とても便利だった
逆転のオン、オフはストッパーで切り替える
ラインローラー周りは当時一般的だった細めのタイプ
ボディー後部にも刻印があしらわれている

 

 

 

2024/12/20

Facebook

@isochinuOfficial

Facebook

fishingbrain