濃いレンズが合わなくなってきた
近視の僕は度入りレンズの偏光グラスを長く愛用していたのですが、ここ数年、日が傾いてくるとかなり見づらくなってきていることをヒシヒシと感じるようになりました。
若い頃は色の濃いレンズがピッタリだったとしても、歳を取るにつれて明るいレンズが合うようになってくる…というのはよく聞く話。ただ、高価な偏光グラスを新調するにはまだ早いタイミングでした。
レンズだけを交換するにしても度入りだとかなり値が張ります。そこで度が入っていない普通の偏光レンズ+使い捨てコンタクトへと路線変更。釣行回数でざっくり試算してみると、こっちの方がおトクだったのです。
度なしレンズで初めての自覚
晩春のこと。コンタクトを装着してレンズを入れ替えた偏光グラスをかけ、その日は渓流に行きました。度の入っていないレンズはやっぱり軽くて快適です。「新緑がまぶしー!」と喜んでいましたが、ハリを交換するときに「あれ!?」
糸を結ぼうとしても何だか視界がぼやっとしています。思い切り離すと見える。「これってまさか…」。そう、まさかの老眼だということを初めて自覚したのでした。それまでは無意識に顔を下げてメガネ越しに上目づかいで仕掛け交換をしていたのですが、コンタクトは目に直接装着するのでどうすることもできなかったのです。
老眼鏡を別に持参するのも、キャップのツバにセットするタイプもあまり使いたくない(というオヤジ心をすごく実感した)のですが、今さらレンズを入れ替えるわけにもいきません。そのときふと思い出したのが“張る老眼鏡”の存在。「試してみるか…」と釣具店に走りました。
そのままだとかなりデカい
店に行くと意外にも目立つところに目的の商品はありました。今まで気にも止めていなかったのですが、やはり悩んでいる人は多いのでしょう。商品名はハイドロタック。カットして大きさを調整でき、水でレンズの内側に張れます。何度でも張り直せるのがポイント。たしか3000円代で購入できました。
そのままだとデカいので小さくするのがいい、とネットに出ていたので上端をカット。ハサミでカットできますが、切り口が光に反射する感じがしたので家にあったロータリーカッターを使うときれいにカットできました。
レンズの内側上端に張り、再び川でフィールドテスト(!?)。それでも大きかったので再度カットして調整し、現在の形にほぼ落ち着きました。
悪くはないが使うのにコツがある
実際に使ってみての感想は「悪くはない」。かけ直したりする手間もなく、視線を動かすだけで対応できるのはありがたい。老眼鏡を張った分、通常レンズの範囲が多少狭くなるので、かけたとき最初だけ違和感はありますがそのうち慣れてきます。
ただ、大村崑のオロナミンCの看板のようにメガネ越しに見るクセが付いてしまった僕には、視線を動かす位置に迷うことがありました。見る方向がピッタリ合えばちゃんと見えます。
“はじめての老眼鏡”だったので度数の弱いものを選んだのですが、多少強くてもよかったのかなと今は思います。ただ、値段もさほど高くないので惜しくはありません。
ひとつだけ。素材の透明度がちゃんとしたレンズほどではないこともあり、めちゃくちゃクリアに見えるわけではないように思えます。派手なCMの何とかルーペのレンズも似たような感じでしたから、これは仕方ないかもしれません。何はともあれ、しばらくは“張る老眼鏡”のお世話になりそうです。