磯釣りスペシャル on sight

名手に聞く秋イシダイ攻略の要点【後編】

橋本陽一郎さんの釣り場選びとマキエワーク

撮影・文=四元秀敏

  • テクニック
名手に聞く秋イシダイ攻略の要点【後編】

大型のオスにはサザエ  ガンガゼはメスが多くなる

──マキエはどういうものを使いますか。

 自分は磯に付いているイガイをメインにカメノテやフジツボなどですね。打ち方自体は止めるマキエと寄せるマキエです。潮が緩いときにマキエを打って流れ出したら打たないというのがイシダイ釣りの鉄則みたいになっていますが、実際は大げさにいえば逆なんですよ。

マキエは地磯で調達したイガイやフジツボなど

 潮が止まったときに、ここを狙うってところに粗割を入れておいてですね、潮が走り出したら底にたまらないよう小さく砕いたマキエを撒きます。潮目とか本流の潮壁とかにいるイシダイがにおいで寄ってくるんですよ。

──サシエはいかがですか。

 秋も押し迫ったらサザエが強いですね。前半戦はトッポガニとサザエの2本立てでいってですね、11月後半から2月の頭にかけてはサザエがよく食います。紫色した大きくなるステンレスを焼いたような色をしたオスの大きいのがよく食います、サザエには。

トッポガニはツメと脚を取ったあと、エサ取りやイシダイの活性に合わせて甲羅を剥がしたり半分に切ったりしてハリに刺す
サザエは殻を割って身を取りだしフタを外したところからハリ先を入れて赤身を縫うように刺す。掛かりがいいようハリ先は出しておく

 ガンガゼを使うとメスが多くなりますよね。ただしなじみは遅いしイシガキが寄るので私はガンガゼは使いませんが。

──仕掛けも変わらないですか。

 年中一緒です。オモリも軽オモリが食いがいいといいますが自分は20号一本です。潮が重いときは10号とかでもいいんですが、そういう潮は少ないですもんね。最近は潮が軽いとか2枚潮とかわき潮とか、穂持ちに重みが乗らない潮がけっこう多いんです。オモリが軽いと仕掛けに張りが作れないんですよ。20号あれば張りが作れるんですよ。

橋本さんの仕掛け。ナツメオモリ20号であらゆるシチュエーションに対応する

 それはラインも同じで、軽いPEラインは伸びがないかわりに潮が軽いときにはアタリが出ない。それは仕掛けに張りが作れないからです。そのあたりは比重のあるナイロンのほうがいいですね。

──秋でも走らないヤツはいますか。

 居着きのしたたかなヤツはなかなか走らないですね。そんなヤツでも走らせるように最善はつくしますよ。マキエを打って活性を上げたり、潮返しの時間帯に集中して勝負をかけたり。それでも走らないときがありますよね。

 そのときはイシダイがエサをくわえたときにテンションを加えていってハリを滑らせていく。滑った感触があったらさらに聞いてみて頭を振るのが伝わればそのまま聞きアワセですね。ただ手の感触なので、うまく伝えるのは難しいですね。

イシダイがエサをくわえたままなかなか走らないときは、穂先でテンションを加えてハリを滑らせていく

──潮回りは気にしますか。

 私はまったく気にはしません。ただ確実に上げ下げがきれいに流れるのは下りの中潮ですね。自分はポイントとか潮はあまり気にしない。その磯に乗って朝潮を見て、とにかく全力。その磯と潮に合わせた釣りをすることです。

 名礁は案外嫌いですよ。人が入ってエサが効いてガキが多いからですね。船長にここは最近人が乗ってるって聞いて、もう何カ月も乗っていないよっていえば、喜んで上がります。エサが入っていないところが好きですね。

2022/12/01

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