むき出しの構造とフォルムにシビれた、1975年登場の史上初LBリール
現在のフカセ釣りでは当たり前に使われているレバーブレーキ付きスピニングリール、略してLBリール。レバーを放すとローターが逆転してラインを放出するこのリールは、竿がのされる前にラインを出して瞬時に竿を立てラインブレークを防ぐシステムだ。
レバーブレーキを最初に搭載したのはダイワ精工(現グローブライド)の「スポーツライン1000LB」で、1975年(昭和50年)のこと。スーパー戦隊シリーズの先駆けとなる『秘密戦隊ゴレンジャー』の放送が始まり、山陽新幹線の岡山博多間が開業して東京から博多まで「ひかり」一本で行き来できるようになった年だ。
このリールは、親父自慢の一台で「大きい魚がきたらこうして糸を出すんや」と実演していたが、そんなことよりレバーの付いたフォルムが斬新でシビれたことを覚えている。当時の我が家ではLBリールではなく「ピストル」と呼んでいたが、一般的にはどうだったのだろうか。
さて、史上初のLB機構は、ローター下側に取り付けられた金属製のプレートを、リールフット右側に伸びるアームの先に取り付けられたブレーキパッドで押さえるようになっている。むき出しの構造が直線的で無骨なボディーデザインと相まって今こうして見てもかっこいい。
自重は450gと重く、3号350m、6号150mの糸巻き量が磯釣りの豪快さを感じさせる。小売り価格6500円だが、当時の大卒平均初任給が8万9300円だったことを考えると、現在のフラッグシップモデルほど高く感じなかったのかもしれない。