Shougen Yoshida
よしだ・しょうげん 1986年生まれ。三重県亀山市在住。10代の頃はニュージーランドに在住し、20代にはプロスケートボーダーとして活躍。その後、30歳のときに友人の影響で磯釣りを始め、スケートボードとは違う異色の世界観にどっぷりハマる。今ではホームグラウンドの三重県を拠点に、四国、九州、瀬戸内などの遠征もこなす。team α所属。キザクラフィールドモニター。
誰も作らないなら自分で作る
単に釣りを楽しんでいる動画とか、ノウハウを見せるのではなくて、自分が釣りに行く前にかっこいい映像を見てバイブスを上げていきたいんですよ。スケートボードの場合は、スケートに行く前にかっこいい映像を見てバイブスを上げていく(気持ちを高めていく)流れがスケーターの中にあるんですね。それと同じ感覚というか。
そういうときにノウハウの映像とかはいらなくて、ただただかっこいいだけの映像だとか、磯の景色とか、釣りのワクワク感を高めるための映像が世にあってもいいんじゃないかなと思って制作に踏み切りました。誰もやらないのだったら自分で作るしかない! と思いましたね。これは僕のためだけでなくて、これからの若い世代の(磯釣りを始める)きっかけになってほしいという気持ちもあります。
スケートカルチャーは、1年、2年、もっと時間をかける場合もありますが、仲間うちで映像を撮り溜めてひとつの映像作品として世に出したり、仲間うちで観賞してバイブスを上げたり、スポンサーミー(映像を作ってブランドの関係者に送ること)じゃないけど売り込むための素材として作ったりするんですね。ただのスケートボードの映像ではなくて、ひとつのアート作品なんです。
自己満足から“波紋”を広げる
磯釣りには他にないかっこよさがあるし、いろいろな釣り人を見て「うわー、かっこいいなー!」と思うシーンがあるので、それをスケートの映像のようにかっこいい部分のクリップを集めてひとつのアート作品にしたいなと。
スケートでいえば、あのステア(階段)がやばい! あのレールがやばい! とか仲間内でワイワイしながら楽しんでいるわけですが、磯釣りも同じようにあの磯がやばい! あの潮目が、あのサラシが…みたいな(笑)。
自己満足の映像ではありますが、自分がやりたいようにやっていって、それに共感してくれる人がひとりでもふたりでもいたらそれが波紋になってどんどん広がってくれるので、それを見るのも楽しみです。
“両方の眼”を持つフォトグラファーとの出会い
今回撮影に協力してくれた細田亮介さんとまだお会いしていない段階から話すと、磯釣りスペシャルMAGAZINE(本誌)の依頼で、アタリウキを撮影してもらうために亮介さんの自宅に送ったんですね。そしたら撮影後に返ってきた封筒の中に「実は僕もスケーターなんですよ。機会があれば、ぜひ一度お会いして話したいですね」と手紙が入っていたんです。
磯釣りのフォトグラファーであり、スケーターでもある異色の感じが、僕と似ているなと思いました。それからインスタで繋がって、大阪のギャラリーで亮介さんが個展をやることを知って挨拶しに行ったんです。
ひとつの空間に磯釣りとスケボーの写真が展示されていて、まさしく自分が思い描いていた空間で、細田亮介の世界観に衝撃を受けたんですね。
自分の磯釣りの映像を作りたいと前から思っていて、カメラマンは誰にお願いしようかと考えていました。スケーター仲間にお願いするのか、テレビカメラマンにしようか、とか。でも、スケーターにしか見えない世界もあれば、磯釣り師にしか見えない世界もあります。両方の眼を持つ亮介さんであれば、見せられる世界があると思いお願いしました。
この映像を見ていただいて、人それぞれ見え方が違うと思うので、少しでも刺激になったり、「磯釣りってすげーな」と思ってもらえればうれしいですね。
動画はこちら https://youtu.be/lv8Vqz00FOE