我が家の屋根裏に眠っている懐かしいタックルを紹介するこのコーナー。今回はシマノ初のLBリールの登場だ。現在も受け継がれるBB-Xはこのシリーズから始まった。
レバーを握ったまま巻き取れるシマノ初LBリール
「シマノのピストルはな、素人でも使いやすいんや」
このリールを見るとそんな親父の声がよみがえる。
1975年にレバーブレーキリールをリリースしLB市場を独占していたダイワの場合、レバーを引くとローターは正回転も逆回転もしない完全ロックだった。レバーを引いてブレーキをかけて竿を起こし、リールを巻くときには素早くブレーキを緩める必要があった。
LBリールの扱いに慣れていない人はやり取りに力が入り、レバーを握りしめたままリールが巻けないなんてことがあったらしい。
ところが、シマノが満を持してリリースしたBB-Xは、ピストルことレバーを引いた状態でも巻き取ることができた。画期的なこのシステムは「バラサンブレーキ」と名付けられ、その略がBB-XのBBだったのだ。
初代BB-Xは83年登場の950番。写真の800番はその後追加された一回り小さいモデルだ。ブラックを基調にゴールドのアクセントは現在のリミテッドプロを彷彿とさせる。レバーを引いてハンドルを回すとジジジジジジジーっとラチェット音がするのが面白い。
お気づきの方もおられると思うが、リールフットの後ろ側が妙に短いのは、癇癪を起こした親父が投げつけて折れてしまったから。あのときは竿も折ってしまって、翌日落ち込んでいた姿も思い出す。