磯釣りスペシャル on sight

屋根裏部屋の名機たち

【その6】オリムピック ハイメカNO.1

撮影・文=四元秀敏

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屋根裏部屋の名機たち

我が家の屋根裏に眠っている懐かしいタックルを紹介するこのコーナー。今回は初めて磯へ連れていってもらったときに使ったスピニングリールの登場だ。日本の釣りを力強く牽引したオリムピックの代表作だ。

最先端機能を盛り込んだ70年代を代表するスピニング

 忘れもしない、初めて磯に行ったのは小学6年の10月11日。前日10日の体育の日が運動会、翌日は振り替え休日ということで、10日夜の大阪天王寺発、通称磯釣り列車で向かったのは、親父のホームグラウンド、和歌山県すさみだった。

 上がった磯は、大きくて足場がいい白島。子供にグラスロッドは重たかろうということで、カーボンロッドの「がま磯レッド」にセットしてくれたのが「ハイメカNO.1」だった。

 1970年代前半に登場したハイメカは、オリムピックを代表するスピニングリール。NO.1は一番大きいサイズで、いまでは当たり前に見られるラインローラー上部を囲むベール形状と、2ボールベアリング、当時としてはハイギアといえる5.1を採用。最先端の機能とエンジ色のスタイリッシュなボディーで磯釣り師に人気を博した。

 その日は、絶好の秋晴れの下、次から次に掛かってくるソウダガツオやサンノジ、その他諸々の魚たちの引きの強さに大興奮。そして足元に浮いてきたドデカいイズスミが食いつき、危うく海に引きずり込まれそうになった。親父が後ろからつかまえてくれて事なきを得たが、足の震えが止まらない。

 このリールを見ると、あの日のことが、昨日のことのように思い出される。

1948年に「植野精工」として創業し61年に「オリムピック釣具」に社名を変更後、数々のリールや竿を世に送り出したオリムピック。70年代には他社に先駆けてカーボンロッドや投げ専用リールを開発し、日本の釣りを牽引。ハイメカはそうした時代のオリムピックの顔ともいえる名機で、NO.1からNO.5までがあり、様々な釣りに使われた。オリムピック釣具はマミヤ光機を吸収合併後の93年にマミヤ・オーピーに改称。2000年12月に釣り具事業から撤退(現在のオリムピックはマミヤ・オーピーから事業を継承した別会社)した
リールフット裏側の刻印
スピールに刻まれた自重とギアレシオ。375gは軽い部類だったようだ
当時としては画期的だった頑丈なラインローラー周り
ボディー外側に付いたこのレバーは、ボディー下部のストッパーとは関係なくオンにすると小さなラチェット音がする

2024/12/10

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