磯釣りスペシャル on sight

あのとき鬼才は若かった

松田稔の熱い魂を伝えたい〜 其の十/ヒラマサはごっつい…

撮影・文=細田克彦

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あのとき鬼才は若かった

力対力のカゴ釣りで真っ向勝負

 鬼才のポリシーに「何でも釣らないと上手くならない」というのがある。一つの釣りだけでは視野が狭いし、魚に対しての思い入れも少ない。何よりも楽しさが広がらないというのだ。

豪快なロッドワークをみせる。ラインは一切出さずにグイグイと引き寄せる。待ったなしの先手必勝パターンが奏功する!

 だから鬼才は、ヒラマサ、チヌ、マダイ、イカ、など様々なターゲットを狙う。さらに磯釣り以外では、アユの友釣り、テンカラでアマゴ、カセ釣りのチヌ、サビキ釣りで小アジも季節に応じて楽しむのである…。

 毎年、11月から12月になれば、名釣会のメンバーたちと長崎県五島列島の上五島エリアへド級のヒラマサを狙いに行く。それも繊細なフカセ釣りではなく、剛竿&極太仕掛けという豪快なカゴ釣りでアタックするのである。これは2013年11月中旬に攻めたときに同行させていただいた模様である…。

昔は投げ釣りにも心酔していた。だからキャスティングはお手のものだ

 「ヒラマサのカゴ釣りもやっぱりマキエをどう効かすかがカギやな。とにかく回遊してくるヤツをマキエで釘付けにすることよ」

 そこにはデカ尾長を狙うような不動の体勢でロッドを構え、海面に突き刺さるような鋭い眼光はない。とにかく大胆に攻めて力対力で勝負に出る。瞬く間に剛竿が絞り込まれると、大型スピニングリールのドラグが悲鳴を上げ、太い道糸を吐き出す。ときには海に引きずり込まれそうになることも…。

サシエはもちろんボイルのオキアミを使う。ハリは鬼才が考案した“地獄の2本バリ”が威力
これが“地獄の2本バリ”。唇が弱いシマアジ釣りのときに考えたもの。一本では唇が切れてバレるので2本目で確実にフッキングさせるというもの。左のハリが13号で右が11号。やや遅いアワセで13号に掛けて、13号が切れても11号で再度掛ける設定だ
海面でぽこぽこと浮いているから“ポコポコウキ”。これはサシエを浮かせる役目とアタリを取る役目がある。これを移動させてサシエのタナを決める
浅ダナを狙うのでカゴにもウキが固定されている
信頼のおけるタックルはもちろんだが、仕掛けの結びを生半可にしては大物が取れない。ペンチを使い確実に力いっぱい締め込むこと

 そして、仲間と瀬泊まりも楽しむ。磯の上で“極上肉のすき焼き宴会”がはじまる。コック長はもちろん味にうるさい鬼才である。だからできあがりは絶品、いうことなし!こんなアウトドアの楽しみ方もワザあり! 鬼才は“遊びの天才”なのである…。

2025/02/21

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